建設物価調査会

主要資材動向(東京)

  • 建設物価

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2024年12月10日現在 東京

主要資材価格動向

主要資材動向

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品名品名規格単位価格前月比気配掲載ページ
異形棒鋼異形棒鋼SD295 D16t109,000
変わらず
弱含み
16
H形鋼H形鋼SS400 200×100×5.5×8mmt117,000
変わらず
弱含み
26
中厚板中厚板無規格品 16~25×1,524×3,048mmt139,000
変わらず
弱含み
40
カラー亜鉛鉄板カラー亜鉛鉄板0.35×914×1,829mm1,548
変わらず
弱含み
54
セメントセメント普通ポルトランド バラt16,000
変わらず
横ばい
79
レディーミクストコンクリートレディーミクストコンクリート18-18-25(20) 普通ポルトランド(17区)m320,800
変わらず
横ばい
92
再生砕石再生砕石再生クラッシャラン 40~0mm(17区)m31,150
変わらず
横ばい
129
管柱 杉(KD)管柱 杉(KD)3.0m×10.5×10.5cmm375,000
変わらず
横ばい
160
コンクリート型枠用合板コンクリート型枠用合板12×900×1,800mm 輸入品1,720
変わらず
横ばい
175
再生アスファルト混合物再生アスファルト混合物密粒度13(14区)t10,000
変わらず
横ばい
211
ストレートアスファルトストレートアスファルト針入度60~80 ローリーt105,000
上伸
弱含み
219
ダクタイル鋳鉄管ダクタイル鋳鉄管内面エポキシ粉体塗装 水道用 GX形1種 75mm×4m28,400
変わらず
横ばい
285
フロート板ガラスフロート板ガラスFL5 2.18m2以下(特寸)m22,260
変わらず
横ばい
496
600V ビニル 絶縁電線600V ビニル 絶縁電線Ⅳ 1.6mm 単線m39.3
変わらず
横ばい
539
配管用炭素鋼鋼管(ガス管)配管用炭素鋼鋼管(ガス管)白ねじ付き管 50A 4m7,340
変わらず
横ばい
654
硬質ポリ塩化ビニル管硬質ポリ塩化ビニル管VP100mm 4m4,190
変わらず
強含み
688
軽油軽油ローリー117.0
上伸
強含み
788
鉄スクラップ鉄スクラップヘビーH2t33,500
変わらず
横ばい
794
矢印説明

<市況総括>

 国内の建設工事の統計資料によると、2024年11月の公共工事請負額は全国で前年同月比4.6%増(建設業保証会社)、2024年10月の新設住宅着工戸数は、持家は増加したが、貸家、分譲住宅が減少したため、全体で前年同月比2.9%減少、民間非居住建築物着工床面積では事務所、工場が増加したが、店舗、倉庫が減少したため26.8%減(国土交通省)となっている。一方、主要資材の需要動向は、小形棒鋼が10月の国内出荷量で前年同月比4.3%減、H形鋼が3.8%減(日本鉄鋼連盟)、生コンが11月の東京17区出荷量で12.5%減(東京地区生コンクリート協同組合)、アスファルト混合物が10月の東京地区出荷量で2.8%増(日本アスファルト合材協会)となっている。

 東京地区の主要10資材の価格動向は、軽油が上伸、異形棒鋼、H形鋼、セメント、生コン、再生砕石、コンクリート型枠用合板、再生アスファルト混合物、600Vビニル絶縁電線、配管用炭素鋼鋼管(ガス管)の9資材が横ばい、下落した資材はなかった。

 【軽油】 ローリー渡しでリットル当たり117円と前月比1円上伸。原油相場は不安定な状況が続くなか、国内では補助金支給額の減少により元売りの実質仕切価格が上伸。流通筋の価格転嫁の遅れにより小幅な値動きにとどまった。燃料油激変緩和対策事業による補助金が出口に向け段階的に縮減されることが決定したことから、目先も強基調の見通し。

 【異形棒鋼】 横ばい。数量を確保したい流通筋の販売競争が散見されるが、メーカー各社は適正利益確保を重視し、値下げ要求への抵抗を強めている。需要家は当用買いに徹しながら、厳しい姿勢を継続している。目先、弱含みの見通し。

 【H形鋼】 横ばい。流通各社はメーカーからの仕入れ量を抑制して在庫調整に努めており、安値回避の姿勢で販売を継続する構え。しかし、需要家に材料手配を急ぐ動きはなく、買い手優位の商状が続くとみられる。目先、弱含みの見通し。

 【セメント】 横ばい。メーカー各社は、2025年4月から2,000円以上の値上げを表明し、早期かつ値上げ額の確実な浸透に向け、年始から需要家との交渉を本格化させるとしている。先行きも横ばいの見通し。

 【生コン】 横ばい。協組は、原材料や輸送コストなどの増加を理由に2025年4月出荷分から3,000円の値上げを表明。値上げに加えて価格体系の見直しも含まれることに対し、需要家は慎重な姿勢を貫く構え。先行きも横ばいの見通し。

 【再生砕石】 横ばい。メーカーは輸送コスト増加分を早期に製品価格に転嫁したい意向にあるが、需要家は値上げの受け入れには慎重な姿勢を崩していない。先行きも横ばいの見通し。

 【コンクリート型枠用合板】 横ばい。流通筋は仕入れコストの上昇を見据えて、売り腰を強めたい意向にあるが、需要家は慎重な購入姿勢を崩しておらず、模様眺めの様相。目先も横ばいの見通し。

 【再生アスファルト混合物】 横ばい。メーカー各社は、製造および輸送コストの増加を販売価格に転嫁するため値上げ交渉を継続。需要家はコストが増加する状況に理解を示すも、工事の採算を重視して値上げの受け入れには慎重な構え。先行きも横ばいの見通し。

 【電線】 横ばい。主原料である銅の建値は11月平均で144万円台と前月比3万円の下落。メーカー各社は輸送コストや人件費上昇分の価格転嫁が不十分とし、現行価格の維持に努めている。流通各社も採算確保からこれに追従。一方、需要家の購入姿勢は厳しく、当用買いに徹している。目先も横ばいの見通し。

 【配管用炭素鋼鋼管(ガス管)】 横ばい。流通筋は、輸送コスト増加分を販売価格へ転嫁させたい意向だが、採算悪化を懸念する需要家の購入姿勢は厳しく、現行価格の維持が精いっぱいの状況。先行きも横ばいの見通し。

<市況(現況と見通し)>

  • 異形棒鋼

    圖師
    先行き気配

    需要は低調、目先弱含み

     SD295・D16でトン当たり109,000円と前月比変わらず。需要低迷が長引き、精彩を欠く商状が続いている。数量を確保したい流通筋の販売競争が散見されるが、メーカー各社は適正利益確保を重視し、値下げ要求への抵抗を強めている。一方、需要家は調達を急ぐ案件が少ないため、当用買いに徹しながら、原料価格に対して製品が割高であるとして厳しい姿勢を継続している。先安観を一掃する材料が乏しく、需要家優位の展開が続くと予想され、目先、弱含みの公算大。

  • H形鋼

    岩崎
    先行き気配

    荷動きは依然鈍く、弱含み

     200×100でトン当たり117,000円と前月比変わらず。流通在庫は減少傾向にあるが、市中取引の大半を占める中小物件向け実需が低迷していることから、需給にタイト感は見られない。流通各社はメーカーからの仕入れ量を抑制して在庫調整に努めており、安値回避の姿勢で販売を継続する構え。しかし、需要の低迷は続くとの見方が大勢を占め、需要家に材料手配を急ぐ動きはなく、当用買いに徹している。買い手優位の商状が続き、目先、弱含みで推移する公算が大きい。

  • セメント

    佐藤
    先行き気配

    需給引き締まらず、横ばい推移

     普通ポルトランド(バラ)でトン当たり16,000円と前月比変わらず。10月の国内販売量は、306万4千トン(協会調べ)で前年同月比3.9%の減少。本年度も出荷減に歯止めがかからず、3,500万トンの大台を下回った2023年度をさらに下回るとの見方が強い。こうしたなか、メーカー各社は、2025年4月から2,000円以上の値上げを表明。早期かつ値上げ額の確実な浸透に向け、年始から需要家との交渉を本格化させるとしている。先行き、横ばいの公算大。

  • レディーミクストコンクリート

    佐藤
    先行き気配

    販売店は現行価格を維持、横ばい

     18-18-20でm3当たり20,800円と前月比変わらず。11月の東京17区出荷量は、22万m3(協組調べ)で前年同月比12.5%の減少。都心部の再開発事業などの需要はあるものの、資材価格高騰や作業員不足による工事の遅延や延期が出荷に影響し、4カ月連続で前年同月を下回っている。協組は、原材料や輸送コストなどの増加を理由に2025年4月出荷分から3,000円の値上げを表明。値上げに加えて価格体系の見直しも含まれることに対し、需要家は慎重な姿勢を貫く構え。先行き、横ばいの公算大。

  • 再生砕石

    藤巻
    先行き気配

    過剰在庫の解消進まず、横ばい

     再生クラッシャラン40~0mmでm3当たり1,150円と前月比変わらず。都内メーカーが廃材の受入制限を続けており、廃材の受入地が隣接県にまで広がりを見せている。旺盛な解体工事から発生する廃材により、メーカー各社の在庫量は依然高水準で推移している。メーカーは輸送コスト増加分を早期に製品価格に転嫁したい意向にあるが、需要家は採算確保を重視し値上げの受け入れには慎重な姿勢を崩していない。需給改善にはなお時間を要する見通しで、先行き、横ばいの公算大。

  • 木材

    甲田
    先行き気配

    需要本格化に至らず、横ばい

     管柱 杉(KD)3.0m×10.5×10.5cmでm3当たり75,000円と前月比変わらず。8~10月の東京都の新設木造住宅着工戸数は11,713戸(国交省調べ)で前年同期比6.3%の増加。足元では建設資材の高騰により住宅購入意欲が低下していることを背景に荷動きは依然として鈍い。このような状況下、輸送コストなどの増加で採算悪化の危機感を抱く流通筋は、値上げに踏み切れず現状維持が精いっぱい。年明け以降、需要が増加に転じる見込みは薄く、先行き、横ばいの公算大。

  • コンクリート型枠用合板

    飯島
    先行き気配

    底値感が台頭、横ばい

     12×900×1,800㎜輸入品で枚当たり1,720円と前月比変わらず。10月の輸入合板入荷量は、17万7千m3(財務省調べ)で前年同月比2.1%の増加。当用買いが中心ながら荷動きは活発化しており、在庫過剰感はない。10~11月の円安進行により、輸入商社が値上げの意向を示しており、市中では現状を底値と見る向きが多い。流通筋は仕入れコストの上昇を見据えて、売り腰を強めたい意向。一方、需要家は慎重な購入姿勢を崩しておらず、模様眺めの様相。目先、横ばい推移の見通し。

  • 再生アスファルト混合物

    筒井
    先行き気配

    価格交渉こう着、横ばい

     密粒度13でトン当たり10,000円と前月比変わらず。4~10月の都内出荷量は、94万7千トン(協会調べ)で前年同期比変わらず。新設舗装工事向け需要は低迷しているものの、維持修繕工事向け出荷が下支えし出荷量は堅調。メーカー各社は、製造および輸送コストの増加を販売価格に転嫁するため値上げ交渉を継続。一方、需要家はコストが増加する状況に理解を示すも、工事の採算を重視して値上げの受け入れには慎重な構え。交渉はこう着状態が続くと予想され、先行き、横ばいの公算大。

  • 電線

    木村
    先行き気配

    銅建値下落も、横ばい

     IV1.6mm単線でm当たり39.3円と前月比変わらず。需要は都心部の大型再開発工事を中心に一定量あるものの、労働者不足による工事遅延が目立ち、精彩を欠く。主原料である銅の建値は11月平均で144万円台と前月比3万円の下落。メーカー各社は輸送コストや人件費上昇分の価格転嫁が不十分とし、現行価格の維持に努めている。流通各社も採算確保からこれに追従。一方、需要家の購入姿勢は厳しく、当用買いに徹している。交渉材料を欠き、両者模様眺めの様相。目先、横ばいの公算大。

  • 配管用炭素鋼鋼管(ガス管)

    徳永
    先行き気配

    さえない商状続くも、横ばい

     白ねじ付き管50A4mで本当たり7,340円と前月比変わらず。大型再開発物件向けが堅調に推移するも、中小規模物件の不振に加え労働者不足による工事進捗鈍化の影響を受け、さえない商状が続いている。流通筋は、輸送コスト増加分を販売価格へ転嫁させたい意向だが、採算悪化を懸念する需要家の購入姿勢は厳しく、現行価格の維持が精いっぱいの状況。価格交渉の進展には需要の回復が必要との見方が多く、しばらくこう着状態が続きそう。先行き、横ばいの公算が大きい。

  • 燃料油

    村平
    先行き気配

    仕切価格の上昇により、上伸

     軽油はローリー渡しでリットル当たり117円、レギュラーガソリンはスタンド渡しで157円とともに前月比1円上伸。世界的に需要の盛り上がりを欠く一方で、ウクライナ情勢による地政学的リスクの高まりにより、原油相場は不安定な状況が続いている。国内では補助金支給額の減少により元売りの実質仕切価格が上伸。流通筋の価格転嫁の遅れにより小幅な値動きにとどまった。国内は燃料油激変緩和対策事業による補助金が出口へ向け段階的に縮減されることが決定。目先、強基調の見込み。

  • 鉄スクラップ

    石井
    先行き気配

    需給は均衡し、横ばい

     ヘビーH2でトン当たり33,500円と前月比変わらず。発生は依然として薄いが、軟調な国内鋼材需要で電炉は減産傾向にあり、需給は均衡している。11月の関東輸出取引は前月比で小幅な下落であったが、国内相場と比べると高い水準で成立した。国内電炉メーカーは様子見の姿勢を維持し、調達価格を据え置いている。中国の過剰生産により、安価な製品がアジア諸国へ輸出されている影響で、国際的なスクラップ価格も低迷している。引き続き様子見の展開が続き、目先、横ばいの見通し。

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一般財団法人 建設物価調査会
  調査統括部 調査統括課
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